【熊八メーリングリストより
 
あすあさっての補講(午後全部)の準備がなんにもできていないので、花緑さんで行く気7割でしたが、談春で9割になって行ってきました。

 電車の便が悪いので、車を使って下道で1時間半の距離ですが集中工事で通行止、周辺も混雑が予想されたので高速使って1時間で行きました。

 花緑さんから夜の10時すぎに電話があって、食あたりで熱が出て出られないので代演を頼まれた、ということでしたが、その談春さんも風邪ぎみとかで鼻声。花緑さんについて語っているいちばん最初のマクラがいちばん面白かったかもしれない。(まだ体力が残っていたからでしょう)

 時間がたつにつれ、鼻を手ぬぐいでぬぐったり、すすったりと苦しそうで、声も出ていなくて、みているのもつらそうでした。大工調べは、言い立てに全体力を集中した結果その前後はおざなりになってしまった感じです。お白洲の場面を期待していましたが、その前で降りてしまいました。とはいえ弱っていても談春、切れ味の鋭さは十分うかがえました。談志を語ると長くなるのも高田文夫さんのラジオできいた通りで満足しました。

 大工調べはたぶん3度目か4度目ぐらいだと思うんですが、初めて聴いた談春バージョンでは、喧嘩に至るまでに、本来良識的な3人が少しずつ言葉が行き違って、感情的になっていく様子が十分納得できて、いままで感じていた不愉快さが全く感じられなかったのがよかったです。(これまでは大家も頭領も唐突に怒り出すような印象を受けていました。僕が江戸っ子気質を理解できていなかったせいかもしれませんが)

 演者もつらそうなら世話人の三楽さん(本名玉置さん)もさすがに2学期がはじまったばかりでしんどそう、さらに談春さんのペースについていけなかった模様で目が虚ろでした。僕も途中で頭がぼーっとしていたので、まぁ、みんな疲れているのよねーって感じなのかも。

        (鎌田さんがMLに流していただけました)


          からむニストより
 「第40回小牧落語を聴く会」は、出演予定の柳家花緑から世話人へ、食あたりで発熱ーとの電話があったのが前夜10時すぎ。で、11時を回ったころ代演が立川談春に決定。それから情報をインターネットに入れ、プログラムを刷り直し、世話人たちは半徹夜だったろう。

 立川談志は、1983年に落語協会から独立、家元を名乗り、師匠の柳家小さんとは袂を分かつ形で今に至っている。ところが、小さんの孫の花緑は、立川流の会に客演することが多い。

 過日の池袋演芸場の余一会でも、当の花緑や立川志らくが、マクラでそのことをサカナにしていた矢先だから、笑い事ではないが妙にオカしい。

 代演の談春も、今朝から風邪気味(人間国宝のタタリか?)。だが、「うなぎの幇間」「大工調べ」いずれも好調。前者は、先代文楽の”決定版”とはまた違う工夫があり、後者は池袋余一会に勝るとも劣らぬ出来である。

 終演後、世話人の「談志の教え方は?」との問いに”ここだけの話”まじりで具体的に答える談春。結果、小牧ならではの充実した会になった。(楽屋雀)

                     パンフレットより 
 お運びをいただきありがとうございます。回を重ねて40回を迎えることができました。御礼を申し上げます。花緑師匠を楽しみにお越しいただいた皆様には、本当に申し訳ありません。お詫び申し上げます。

長いこと会を続けているといろいろなことがあるそうです。新幹線が止まって噺家さんが到着しないとか、会場が停電して高座がつづけられなくなったとか、他の地域寄席の世話人の方々からうかがったことがあります。

花緑師匠から急病(本人談「発熱してのたうちまわっている」)との連絡をいただいのが昨夜10時過ぎのこと。思い切って今回は見送りにしようかとも思いましたが、花緑師匠から「責任をもって代演を頼める」師匠方として、談春師匠を含め数人の名が挙げられました。世話人全員で相談する時間もなく、「談春師匠から代演をお願いしたい。談春師匠の都合がつかなければ、今回は休会ということで見送ります」と返事をして、花緑師匠からの連絡を待ちました。11時過ぎに「談春師匠の代演」が決定し、何とか無事40回を迎えることができました。

立川談春師匠。昭和59年に18歳で立川流に入門。63年に二つ目に昇進、TBSの番組「ヨタロー」で「立川ボーイズ」として志らく師匠とともに人気沸騰。このころの独演会のお客さんは8割が女性だったとか(国立演芸場での独演会へ伺ったことがありますが、やっぱりそうでしたね。おみず系もチラホラって感じ)。そして平成9年真打。まあとにかく聴いて下さい。

こんな事情ですから、演題はお任せです。先日池袋演芸場での余一会で聴いた、様子のいい「大工調べ」もいいなあなどと、もう談春師匠の噺を楽しみにしている世話人です。花緑師匠の噺が聴けないのは大変残念ではありますが、かわって談春師匠の噺が聴けるのは「なんてラッキーなこと」と、きっと満足いただけるものと確信しています。お時間までごゆっくりお楽しみください。

第40回『立川談春』1999年9月5日

演目:鰻の幇間・大工調べ 参加者:75名