小牧商工会議所会館での「第56回小牧落語を聴く会」は、林家こぶ平の独演会。
まず、去年中日劇場でも聞いた「新聞記事」は、今回の方が好調。ただ「お前はバカか」というストレートな罵倒を繰り返さずに、二度目は「お前でなきゃ言えないな」てな風にひとひねりしたい。
二席目は、父、三平に教わった小噺「味噌豆」に続いて、先代金馬が十八番だった「茶の湯」。これが、抹茶ならむ青きな粉を、もっともらしく入れる手つきが、オヤと思うほど。三平の口座ではついぞ見たことのない良い仕草だが、それがテレビタレント口調が抜けきらぬ部分と混在。今後、どう仕上がっていくか興味深い。
落語界の”色物”的人気者だった三平。腰の低さも父譲りのこぶ平が、再来年、九代目林家正蔵を襲名する。祖父の七代目正蔵も、「どうも相スイマセン・・・」の奇声で受けた人。ふさわしく、めでたい襲名だ。(楽互家)
第56回『林家こぶ平』2003年11月1日